ブラジル/2022年/スコープサイズ/80分/
日本語字幕 星加久実
脚本・編集・監督:アレ・アブレウ
テクノロジーを駆使する太陽の王国のクラエと、自然との結びつきを大切にする月の王国ブルーオの二人の秘密エージェントは、巨人によってその存在を脅かされる魔法の森に派遣されている。クラエはオオカミにキツネのしっぽ、ブルーオはクマにライオンのしっぽ、ホタルの目を持つ不思議な姿をしている。二人は正反対の世界からやってきて、全く異なる文化を持ち、一世紀にわたって対立を続けていた。二人が探しているのは、森を救うという「ペルリンプス」だ。光として森に入り込み、様々なエネルギーをもたらした。しかし巨人の支配が始まり、だれもがペルリンプスの存在を忘れてしまっていた。反発しながらもペルリンプスの手がかりを探して、二人は協力し合うことにする。音と光に導かれ、たどり着いた場所にはカマドドリのジョアンという鳥の姿をした老人がいた。老人はかつて巨人だった時のことを二人に語り始める。そしてペルリンプスに呼ばれてこの森に帰ってきたことも…。老人は家へ帰るよう二人を諭し、「出会いの場」へと導く。最初に出会った場所に戻り、ペルリンプスを探し続ける二人に、突然巨人のサイレンが鳴り響く。残された時間はもうない。大きな波が森を破壊し飲み込もうとしていた…。そして物語は思いがけない結末にたどり着く。そこに隠された現代への問いかけとは?
1971年3月6日、サンパウロ生まれ。13歳のときにサンパウロ市内にあるMuseum of Image and Sound(MiS)のアニメーション教室に通い始める。そこで彼は、ルネ・ラルー監督の『ファンタスティック・プラネット』や『時の支配者』、漫画家・脚本家メビウスの『ブルーベリー』シリーズといった作品に出会い、大きな影響を受けた。「彼らは私にアニメーションの別の面を見せてくれました。彼らのおかげで、私は自分の人生で何をしたいのか、もはや迷うことはありませんでした」と話している。
1990年代、アブレウは2本の短編アニメーションを制作し、イラストや広告など多くのプロジェクトに携わった後、初の長編映画『Garoto Cósmico(宇宙の少年)』を制作した。2008年にブラジルで公開された青少年向けのSF映画で、すべての生活がプログラムされた世界に住む子どもが主人公だ。
1960年代から1970年代のラテンアメリカの音楽とそのプロテストソングを使い、南米大陸の激動の歴史のさまざまな時代をたどるアニメーション・ドキュメンタリー「Canto Latino」の準備中だった2006年、アブレウは自分のノートを開き、映画『父を探して(原題:少年と世界)』のきっかけとなった「少年」のキャラクターのスケッチを見つけたという。この作品は一人の少年の目を通して描く南米大陸の歴史と冒険の物語で、2014年アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞クリスタル・アワード、2016年アニー賞長編インディペンデント作品賞を受賞し、彗星のごとく現れた新たな才能に世界が驚いた。2016年アカデミー賞長編アニメ賞に南米の長編アニメ作品として初ノミネートされた。
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主催:ニューガーデン映画祭実行員会
共催:真庭市立中央図書館
助成:真庭市
後援:真庭市教育委員会、真庭観光局、真庭いきいきテレビ、真庭タイムス、山陽新聞社
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NGFF 2025